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さよなら、インタフェース —— 脱「画面」の思考法 ゴールデン・クリシュナ著   武舎広幸監訳 武舎るみ訳

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訳者あとがき

何にでも画面をくっつけてUIで操作させれば、それで一件落着、デザイン的にも時代の最先端を行っている。そう信じて疑わない企業や開発者は多い。ユーザー側も、そんな製品を考えなしに日々使い、いいと言う者が大勢いるから、右へならえで珍重し、得々としている。

こんな風潮を嘆き、「おい、今の世の中、なんか変だよな? なんとかしなくちゃな?」と呼びかけているのがデザイナーのゴールデン・クリシュナだ。そしてもともとはブログだったものを加筆修正して一冊にまとめあげたのがこの本。「そんなの理想論さ」と一蹴されたりバカにされたりと、風当たりは強いらしい。でも著者は「いいものはいいのだ」を貫き通し、(訳者泣かせの)卑近な例やジョークや下ネタ満載の「クリシュナ節」で世に改革を迫る「ピエロ役」を自ら任じる。全米各地で開催されているカンファレンスでも積極的に発言。日本でのトークも要請があればいつでも喜んで、と意気盛んだ。

「思い込み」「惰性」「習慣化」「鵜呑み」が改善や進歩の足かせになっていることは、べつにUIでなくとも珍しくない。ひと息ついて「え? あ・・・そうかも」と我が身を振り返ったって損はなかろう。まずはご一読を。「おお、たしかに!」と感じるところもきっとあるはず。アナタの製品を根本から変えてしまう発想に出会えるかもしれない!

  2015年8月12日
               マーリンアームズ株式会社
               武舎るみ