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インタフェースデザインの心理学 第2版 スーザン・ワインチェンク著 武舎広幸+武舎るみ+阿部和也訳

デザインの心理学

 素晴らしいデザインの恩恵を受けるのは利用者(ユーザー)です。デザインの対象がウェブサイトであっても、医療機器であっても、そのほかのものあっても、この点は変わりません。

 ですから、素晴らしいデザインを実現するには利用者に対する深い理解が欠かせません。利用者はどう考え、どう判断するのでしょうか。「クリック」であれ「購入」であれ、皆さんが利用者にしてほしいと望んでいる動作を促すものは何なのでしょうか。

 そうしたことを解明するのがこの本の目的です。

 人の心をとらえるのはどのようなものなのか、人はどのような誤りを犯しやすいのか、その原因は何かといった、皆さんがよりよいデザインをする上で役立つさまざまな事柄をこの本で紹介していきます。

 きっと役に立つはずです。

 すでに「しんどい作業」はほとんど私がやっておきました。私は論文を読むのが大好きという変わり者で、山ほど読みます。もちろん論文だけではなく本もたくさん読みます。場合によっては二度、三度と読み直すことさえあります。その中から特に優れていると思った理論や概念、研究成果を選びました。

 そして、そうした研究成果を私自身の経験、長年インタフェースデザインに携わってきたことで得た私の知識や感覚と融合させたのです。

 こうして誕生したのがこの本です。

第2版へのまえがき

この本の第1版を書いた時、もちろん多くの人に読んでいただけることを願っていました。

しかし皆さんから反響があるかどうかはまったくわかりませんでした。

ですから、この本の第1版に対して肯定的な反応を非常にたくさんいただいて、とても驚き、また嬉しくなりました。

第1版は数カ国後に翻訳され、多くの大学でテキストとして採用されました。付箋がたくさん貼られ、マーカーで色がつけられた本を私に見せてくださった方も何人もいらっしゃいました。

第1版を執筆してからかなりの年月が経過していますが、ほとんどの項目は今でもそのまま通用します。

しかし新しい研究成果も出ていますので、今が第2版を出すべきときだと判断しました*1

そのほか、説明や言葉遣い、画像などを、よりよいものに改め、現状を反映するよう内容を更新しました。

すべての読者の皆さんのご支援に深く感謝いたします。


*1 訳注:この本(正編)の第1版の出版後、さらに100個のトピックから構成された『続・インタフェースデザインの心理学』(続編)も出版されました。この正編の第2版は、第1版の内容をアップデートしたもので、続編のトピックと(関係するものはありますが)重複するものはありません。