マーリンアームズ株式会社

DHC翻訳若葉荘「本日の講義」

第9回 続・百科事典としてのウェブ(2005年4月配信)

将来皆さんが翻訳家になったら大忙しになるでしょう確定申告の季節も終わりました。私は,一応(自分が社長をしている)会社から給料をもらっている形になっているので,普通の年は「医療費控除」の計算だけをすればよいのですが,昨年の初めまで国から個人向けの補助金をいただいて機械翻訳ソフトを開発をしていただいた関係で,結構面倒な計算をしなければなりませんでした(この原稿の執筆段階ではまだ過去形ではないのですが...)。おまけに,前回お話ししたように,「シックハウス」が原因で化学物質過敏症という厄介な病気になってしまってあちこちの病院を飛び回り息子の医療費もかさんでいますし...

さて,家にいられなくなりホテル暮らしを余儀なくされていた私たちも,ようやく家族みんなで住めそうな家が見つかり徐々に落ち着いた生活になってきました。今回の経験はおそらく我が人生最大かつ最悪の試練だったのですが,♪There's a sunny side to ev'ry situation.♪ なかなか味わえないこの経験をしたことで,いろいろ学んだことも事実です。(♪で囲まれた部分の意味がよくわからない方,グーグって見てくださいね)

いつも肩が凝ってしかたがないとか,いつも背中が痛いとなげいているあなた。旅行に出ていると調子がいいなんてことはありませんか? もしそうだとしたら,お家の空気を疑ってみましょう。じつは私,昨年の春に背中を痛めてしまって,その痛みがなかなかひかなくて困っていたのですが,今回の騒動でホテル暮らしをしたらピタッと止んでしまったのです。もう1カ所,中学3年の春に手術をした虫垂炎(「盲腸」)の後がちょっと癒着していて時々しくしく痛かったのですが,それもほとんど感じなくなってしまいました。

現在の家を見つけるまで,家族みんなで何カ所も試してみたのですが,子供が調子の悪い家 —「咳が止まらない」「胸が痛くなる」などさまざまな症状が出る — にいるときは,私の背中やおなかも痛くなるのです。精神的な要因だけでは決してないと思います。今の家でも,最初,畳の部屋に寝ると調子がよくありませんでした。今回の件で知りあった専門家の方に頼んで,低農薬畳にしていただいたらとても快適になりました(今使われている普通の畳には,ダニなどを予防するためにかなりの量の農薬が使われているのだそうです)。当たり前のことですが,人間はいつも呼吸しているのですね。その空気が悪ければすぐに体に現れるというわけです。私たちの場合,その程度がとても激しく,過敏になってしまったようなのです。室内環境は大切ですね。

さて,DHC-オンライン講座にお申し込みいただいた皆さん,ありがとうございます。添削課題の提出,採点も始まり本格的な運用が始まりました。皆さん,一所懸命取り組んでいただいているので,楽しく添削させていただいています。中には,「将来いけそう」な方も何人かいらっしゃいます。引き続きがんばってくださいね。お待ちかねの「料理で学ぶ 英日翻訳基礎演習講座」や「文系の人にもわかる! HTML入門」も始まりましたので,是非是非ご検討ください。

添削といえば,オンライン以外の講座についても添削のお手伝いさせていただいているのですが,「検索エンジンで探してみればすぐにわかるのに」と思うご質問が毎月何通か必ず届きます。翻訳実務にも,学習にも検索エンジンは欠くことのできないツールです。翻訳者になろうと思ったら,作業環境を整えることは大前提です。今号でも翻訳の作業環境を整えるためのウェブの利用法について考えてみましょう。

私が担当した前回と前々回のメルマガでは検索エンジンを使って,ウェブを百科事典として利用する方法を検討しました。その際に大きな問題となるのがウェブ上の情報の「不確実性」です。今回ご紹介するのは「百科事典」とはちょっと言えないかもしれないのですが,専門家を集めていろいろな事柄に関する解説をしてくれるサイトです。どのサイトも広告料で運営しているらしく,無料で情報提供をしてくれています。

日本のサイトで代表的なものとしてall aboutがあります。「パソコン・デジタル家電」から「グルメ・クッキング」,「健康・医療」までさまざまな分野に関する情報が提供されています。たとえば,税金については「確定申告は、いつ、どこでする?」なんていう初心者向けのページから,「経営者の節税対策」などというページまでしっかりガイドしてくれます。「レースクイーンと確定申告」なんていうページもありますね。レースクイーンの方で,そろそろ引退を考えていて,これから翻訳家を目指そうと思っていらっしゃる方にはピッタリですね(そんな人はいないか。案外いたりして...)。

日本を飛び出して,世界のサイトを見てみましょう。必要な知識を得ることができるのならば,英語で書かれていてもがんばって読む気にもなるでしょう。たとえば,DHCの『リーディング・プラス』を受講中のあなたならば,本屋さんに行く手間が省けるというものです。

まずall aboutの本家本元であるAbout.comを見てみましょう。このサイトの情報量もすごいものです。5000以上のトピックについて書かれているそうですから,リーディングの教材としては十分すぎるほどです。自分の関心のあるトピック,面白そうなトピックだけでも,読み切れないのではないでしょうか。もちろん,実用的にも役に立ちます。春休みにラスベガスへの旅行を計画しているのなら,Las Vegas for Visitorsなんていかがでしょう。

それから,howstuffworksも面白いです。「how 〜 works」(「〜の仕組みはどうなっているの?」というタイトルで,いろいろな物事に関する解説記事が集められています。このstuffという単語はアメリカで暮らしていたときには,とてもよくお目(と「お耳」)にかかった単語です。いろいろな意味合いで使われますが,"... and stuff like that."という表現は少なくとも1日に2,3回は聞いたのではないでしょうか。若者言葉で訳してみると「...みたいな〜ッ」といった感じのところでしょうか。

たとえば,このサイトで「How Bread Works」を見ればパンの作り方がわかりますし,このメルマガで何回かご紹介した,FireFox(ファイヤフォックス)というウェブブラウザについての「How Firefox Works」という記事もありますね。私はDHCのセミナーの時などにこちらのページをいくつか題材にさせていただきました。メルマガをお読みの先生方,ご検討されてはいかがですか? 少部数で教育目的なら使ってもいいよと返事をくれましたから,著作権料の心配はありません(その後policyが変わっていなければですが...)

あと,ちょっと分野が狭くなってしまいますが,コンピューター関連ですとW3 Schoolsは,よくできていると思います。私も時々調べものに利用させてもらっています。ご参考まで。

こういったサイトは,内容について一応の保証があるので安心して利用することができます。ただし,毎度の繰り返しになりますが,人間がやることに間違いはつきものなので,100%信じてはいけません。特に技術の進歩が早いコンピューター関連のページには要注意です。

しかし,こんなサイトが増えてしまうとますます本が売れなくなりますね。出版不況が続くわけです。トホホ...


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