第15問 直接話法
次の文章を読んで、会話部分の訳にもっとも適していると思われるものを下の4つの中からひとつ選んでください。(参考 brew = 熱い飲み物)
In the morning, Mariam awoke to the aroma of fresh coffee. Her mother had lit a fire just big enough to boil a bit of water in the long-handled pot and then threw in a handful of freshly ground beans.
"You're old enough now," said Parantzim, handing her oldest daughter a chipped demitasse cup of the rich dark brew.
(引用元ページへ)
a. 「もう大きなお姉さんだものね」
b. 「十分な年頃だものね」
c. 「あなたは今では十分大きいです」
d. マリアムはもう大きいのだからとパランツィムは言った。
正解はaの「もう大きなお姉さんだものね」です。
会話部分は、その小説やエッセイを臨場感と躍動感に満ちたものにできるか否かのカギと言っても過言ではありません。全体がどれだけ正確に訳してあっても、会話部分で、単調で生彩のない訳や不自然な訳をすると、雰囲気が台無しになってしまうのです。翻訳だということを忘れて物語の世界に没入するなど、とてもできません。
会話部分を上手に訳すには、話し手の性別や年齢、性格、社会的な立場、聞き手との関係を考慮し、話し手が聞き手に対していかにも使いそうな言葉や表現を選ぶ必要があります。
翻訳講座の課題の添削をしているときなど、原文が直接話法で書いてあるのに、わざわざ間接話法に直してある解答を見かけることがありますが、そんなもったいないことをしてはなりません。直接話法は会話の言葉そのものなのですから、しかるべき会話調で再現しましょう。
あくまでも原文が創り出す世界を可能な限り忠実に日本語で再現する。それが翻訳者の務めです。
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