次の英文を読んで、culminating on January 16, 1920の訳語として 適しているものを下の選択肢から選んでください。
Though culminating on January 16, 1920, National Prohibition was not, by any means, a 20th-century invention.
(参考 culminate=最高潮に達する、全盛をきわめる、National Prohibition=禁酒法、invention=創案、考案)
a. 1920年1月16日に最高潮に達した
b. 1920年1月16日に全盛をきわめた
c. 1920年1月16日に成立した
d. 1920年1月16日に禁酒法が全米で施行されるに至った
正解は d.の「1920年1月16日に禁酒法が全米で施行されるに至った」です。全体を訳してみると、「禁酒法は、1920年1月16日に全米で施行されるに至ったが、なにも20世紀に発案されたものではなかった」となります。culminateにはたしかに「最高潮に達する」や「全盛をきわめる」という意味がありますが、禁酒法に詳しい人以外は、まず禁酒法について調べてみないと、この訳語をそのまま使っていいのかどうかわからないでしょう。
インターネットでprohibitionや「禁酒法」などと入力、検索してみると、禁酒法に関する解説がいくつも出てきますので、それをあたってみると、次のようなことがわかります(インターネットの情報は「玉石混淆」で、「ガセネタ」も混じっていますから、いくつものサイトで裏を取ることが大切です)。
「アメリカ合衆国では1840年代からピューリタン(清教徒)の主導で禁酒法の運動が始められ、1851年にメイン州で最初の禁酒法が制定されて以来、20世紀初頭までに18州で禁酒法が実施された。禁酒法を全米に適用するには憲法修正を要し、そのための修正案が米国連邦議会に提出され、1917年に通過(修正第18条)。1919年1月16日に36州が批准して憲法修正条項が成立し、1920年1月16日に実施された」
つまり、上の英文は、全米に効力を持つ「禁酒法」が発効したのは1920年1月16日であるものの、「禁酒」を求め実践する運動自体はなにも20世紀になってから生まれたのではなく、それよりはるか以前から始められていた、といった意味のことを言っているのだということがわかります。
そこでculminateをどう訳すかですが、すぐ上の解釈に従えば、a.の「最高潮に達した」とb.の「全盛をきわめた」はもちろんのこと、c.の「成立した」も訳語として適さないことになります。
このように、背景となる事情をよく知らない場合には、訳語ひとつを選ぶにも、ちょっとした事前調査を要する場合があります。そうでないと原文が言っているのとは違った情報を伝えてしまう恐れがあるのです。上の文のような歴史や政治に関するものでなくても、自分が知らない事柄に対しては「神経質」と言ってもよいほど慎重に事前の調査をする姿勢を養いたいものです。
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